お江戸歴史散策

隠れご利益スポット!|穴稲荷|東京上野恩賜公園で開運の恩恵を受けよう!

アイキャッチ_穴稲荷 お江戸歴史散策

上野恩賜公園内

上野恩賜公園内には、数々の名所、神社、寺院、歴史的建造物などのパワースポットがあります。
江戸時代初期に、寛永寺の天海僧上が、京都を模して計画し実施したものです。
上野恩賜公園内は、おおがかりに吉野の桜を池の周りに植林してあり、
江戸随一の桜の名所として有名です。

上野恩賜公園内に入るには、入り口がいくつかありますが、
今回は、京成上野駅の上にある西郷隆盛の像から公園の中心に向かって歩いていきます。

最初に西郷隆盛の像から、公園の中心に向かって左手に見えるのは、清水観音堂です。
ここは京都の清水寺、清水の舞台づくりを模した建物となります。

清水観音堂から大きな道を公園の中心に向かって歩いていくと左手に上野大仏があります。
これは京都の方広寺の大仏を模したものです。
現在は、顔だけが残っていますが、当時は体全体があったようです(火災で焼け落ちてしまいました)
この顔だけの大きな上野大仏は「これ以上は、落ちない」とされ、特に受験生に人気があります。

そして、不忍池に階段を下りていくと弁天堂があります。
こちらは、琵琶湖の竹生島の風景を模したもので、不忍池には蓮の花が、
池のまわりには赤松や紅葉、椿が植えてあります。

弁天堂から戻って、恩賜上野動物園に向かう途中にある、
開運パワーが充分に感じられるスポットを紹介しましょう。

【忍岡稲荷(穴稲荷)】

上野の山の中腹に五條天神社と並ぶようにして建つ忍岡稲荷(穴稲荷)への入り口は、花園稲荷神社の参道となっています。

花園稲荷神社の参道は、朱塗りの奉納鳥居が数十基つながっており、非常に幻想的な雰囲気が醸し出されていて、絶好の撮影スポットにもなっています。

その鳥居を抜けて、参道を出た先に現在の花園神社の拝殿があります。

ご利益は縁結び、商売繁盛、夫婦和合、安産は霊験として知られています。

拝殿から少し手前に戻るとお目当ての旧社の忍岡稲荷(穴稲荷)のお社があります。

ここは、洞穴になっていて、赤い金属の扉を開けて中に入ると、薄暗い通路になっていて、ひんやりとしますが、10mほど先の突き当りまで行くと、穴稲荷の燭台(ろうそく立て)があり、ろうそくも数本立てられて光がユラユラとゆらめいており、異世界に舞い降りた気持ちになります。

洞穴の中ですので、静かで大変落ちついた雰囲気で、静寂が支配する非常に霊的な神様のパワーが、充分に感じられます。

由緒としては、江戸時代初期に上野寛永寺辺りの森林を大規模に伐採して、広大な境内を創建したため、上野山に住む神狐から「棲家が無くなった」と懇願された霊夢を見た、寛永寺の天海僧正が、山の崖に狐の為の洞穴を掘ったということに由来、穴稲荷神社と称され、江戸時代の名所図にも穴いなりとして、記載されています。

徳川家康に重用され江戸幕府の中で絶対的な権力をふるった天海僧正は、江戸の町づくりを風水思想で行い、江戸城の鬼門にあたる北東の上野に徳川家の菩提寺を京都の比叡山にあたる東叡山寛永寺を建立、さらに琵琶湖に見立てた不忍池に中の島を築き弁天堂を建立しました。

開運先生
開運先生

その天海僧正が神狐をあわれに思い掘った洞穴ですから不思議な力が満ち満ちていると考えられますね。

忍岡稲荷(穴稲荷)をお参りして、開運の恩恵を受けましょう。

お稲荷様

私たちの日常生活の中でも稲荷信仰は、最も盛んであるといえ、きつね、お稲荷様は、古く奈良時代から神の使いとみなされています。

特に、農村地帯で稲作農耕の五穀豊穣の神様として祀られています。

稲荷信仰の総本山である伏見稲荷大社(京都市)のほかにも、豊川稲荷妙厳寺(愛知県豊川市)、笠間稲荷神社(茨木県笠間市)、祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)、千代保稲荷神社(岐阜県海津市)など歴史のある大きな古社がたくさんありますが、小さな祠、個人宅の敷地内にある守り神としてのお稲荷様まで、数えきれない社があります。

日本全国に3万社以上ある稲荷神社のキツネは神に仕える代表的な動物(神使または眷属(けんぞく))とされ、五穀豊穣、商売繁盛にご利益があります。

きつね憑き

きつねは、古来からよく人にいた、または、化かす、だます、といわれますが、憑いた人が良いことに恵まれる場合は、神がかりといわれます。

しかし、憑いた人が災いに遭う場合は、きつね憑きといわれます。

神がかり的なものは、信仰心のなせる業として、ご利益があるとされますが、きつね憑きは、非常にやっかいであります。

そもそも、憑くということは、運の良し悪しを表すついている(ラッキー)、ついていない(不運)、ツキを呼び込む、ツキに見放された、ツキがないなどの言い回しに見られるように、人の運を左右する状態を指しますが、きつねに憑かれると、一般的には、人格まで変容し、精神が錯乱したような状態になります。

ですから、考えただけでも非常に恐ろしいものです。

きつねが憑いた場合のもっとも簡単な落とし方として、有名なものは、憑かれた人を四ツ辻(道路の交差点など)に背負って連れて行って、落ちろ!と、おお声でいって、そこで放りだすという乱暴なものです。

すると憑いた人は、その場で失神して、その後、目を覚ました時には、きつねは出て行っているというものです。

さらにこの時に団子をそなえて、きつねに持って帰らせると良いとされています。

迷い込んだきつねの霊を四ツ辻からあの世へ帰すということのようです。

あっくん
あっくん

現代は、車が多すぎて、大きな道路の四ツ辻(交差点など)では、お祓いはできないよ。

現代でお祓いをするのなら、自然歩道(芝生公園の中)がいいよね!

きつねが化かす、だまされるについては、古来地方の民話(昔話)のレベルで、滑稽で面白い話が多いという感覚です。

開運先生
開運先生

いずれにしてもキツネは、日本古来の動物神、神の使いとして、もっとも日常的な動物であるとして、親しまれていたことは、間違いないですね。